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『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』3巻感想

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』3巻の感想を。ネタバレです。

 

かぐや様は告らせたい?天才たちの恋愛頭脳戦? 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

 

前書き

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』は週刊ヤングジャンプで連載中の漫画。ジャンル的にはラブコメ?です。男女の主役二人とも天才で、お互いがお互いを惚れさせようとしているという前提。お互いの人間心理を高度に読みあったり、なんてことのない学校のイベントを肴に鋭い駆け引きをしたり、というお話。こう書くとなんだかちょっと堅苦しいような感じもしますが、全然そんなことなく、むしろお互い好きあってるのに素直になれず、明後日の方向に突拍子もない行動をしまくる主役二人の天然ぷり+可愛らしさにニヤニヤする、そんなゆるーいコメディです。
 三巻になって、季節は梅雨に入ったようです。女性陣も華やかな夏服に衣替え。新しい登場人物として、かぐやと御行の後輩であり、生徒会会計の石上君が登場しました。まぁ、作者である赤坂氏が直々に仰っていたように、ぶっちゃけ男キャラが増えたところで、ふーん…と言った感じなのですが(笑)、個性的なキャラなので、彼についてもちょっとだけ書きます。あと、一巻からちょくちょく出ているかぐやの侍女である早坂さんもピックアップされた巻ですね。彼女は今後も活躍があるでしょうから、のちのち書こうと思います。

感想

 石上 優

 生徒会会計であり、かぐやと御行の後輩君です。ビジュアルや趣味的にはかなりオタクキャラっぽい感じですが、かぐやの御行への好意の発露を見抜いたり、他人の見られたくない地雷を汲んだりと、人間観察に長けているキャラなそうです。しかし、微妙な間の悪さと若干のデリカシー欠如によって、生徒会女性陣の不興を買うこともしばしば。特に、かぐやには特別目を付けられてます(石上君の被害妄想もあるでしょうが)。
 御行はメインヒロインであるかぐやに好意を向けられているうえ、本人が優しく、天然で純朴な感じのキャラなので、ラブコメにはテンプレの、「ヒロインによるデリカシーのかけた主人公への手荒いツッコミ」ができないんですよね。それをするとちょっと御行がかわいそうな感じになっちゃう。その代わりに、石上君が出てくることによって、その役割を担ってくれるようになった感じがします。まぁ、石上君のそのポジションも、かわいそうと言えば充分かわいそうなんですが(笑)
 藤原書記のように物語を動かせるほど強烈なキャラではないのですが、御行の影役としてこれからもちょくちょく活躍するような感じがします。

 簡単に内容

 ちょいちょいかぐやの前巻からの性知識ネタが進んでいきますね(笑)なんつーか男である自分には、ガチで女子ってあんなに下ネタで笑っちゃうのん?とドキドキしてしまうのですが、まぁ知識レベルが異常なかぐやだからでしょうか(笑)あと、そのシーンでかぐやと一緒にいた藤原書記、御行の運動音痴っぷりのフォローもしてあげていて、なんか藤原書記は一見手が掛かる天然キャラかと思いきや、けっこう主役二人のフォローに回ってることも多い、母性的な側面もありますよね(笑)絶対、藤原書記がいない主役二人だけの生徒会とかうまくまわんねーだろ、と突っ込んでしまいます。藤原書記は狂言回し的にも、出番的にも、キャラクターの関係性的にも、第三の主役と言ってもいいぐらい必要不可欠なキャラですね。
 あと、特筆したいのは三巻最終話近辺の試験ネタですね。ここまで読んだ読者は自明なことですが、御行は思った以上に基礎スペックが低い(笑)部分があるキャラで、それを弛まぬ努力で必死にカバーしているキャラなんですよね。特に試験でトップを取ることに拘泥していて、それは自身のアイデンティティ、「天才であるかぐやに劣らず、同じレベルに立つ」ことを確立するためなんですね。
 なんつーか、それはある部分ではすげー切ないというか…惚れた女と同じ世界を見るために頑張るというのは素直にかっこいいと思うし、あるいはそのプライドがどこか滑稽だとも、共感してしまうんですよね。例え、御行がかぐやより成績が下がることがあったとしても、かぐやが御行を見限るなんてことは絶対ないのでしょうけれど(喜びはするでしょうが(笑))、それでも、男として引き下がるわけにはいかないのです。
 『天才たちの恋愛頭脳戦』と銘打ってる作品ですが、恋愛に限らず、持たざる秀才と持ちうる天才のガチの攻防がちょくちょく挟まされていて、そこも隠れたテーマとして個人的に気に入ってます。

まとめ

 この作品、アニメ化が決まってるようですね。ジャンル的にはバトルものじゃないですし、登場人物も少なく、特別動きがあるような作風でもないので、アニメとしては作りやすい部類に入るのかなと思います。一話完結というのも映像化するにあたってテンポの良さが生まれそうです。かぐやの可愛らしさにリソースを割きまくったら、面白い作品になるのは間違いないでしょう。いずれにしても、楽しみですね。
 と、まったくまとめてないテキトーなコメントで締めて、終わり(笑)では、お暇がございましたら、次卷の感想でお会いしませう。

 以上、感想でした。