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『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』5巻感想

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』5巻の感想を。ネタバレです。

 

かぐや様は告らせたい?天才たちの恋愛頭脳戦? 5 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

前書き

かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』は週刊ヤングジャンプで連載中の漫画。ジャンル的にはラブコメ?です。男女の主役二人とも天才で、お互いがお互いを惚れさせようとしているという前提。お互いの人間心理を高度に読みあったり、なんてことのない学校のイベントを肴に鋭い駆け引きをしたり、というお話。こう書くとなんだかちょっと堅苦しいような感じもしますが、全然そんなことなく、むしろお互い好きあってるのに素直になれず、明後日の方向に突拍子もない行動をしまくる主役二人の天然ぷり+可愛らしさにニヤニヤする、そんなゆるーいコメディです。
 というわけで五巻。前巻で一学期が終わり、夏休みに入りました。一巻から四巻までは巻ごとに新キャラがお披露目されてきましたが、五巻は(メイン級のキャラは)登場せず。とりあえずの人間関係は固まってきたということでしょうか。そうなってくると、キャラの過去を補完したり、よりキャラの関係性を深めたりと、物語を深度を持って進ませる準備ができた、ということでもあり。ここからの展開は、より面白くなりそうです。

感想

 夏休み

 ワクワクドキドキの夏休み編ということで。しかし、寂しがりやのクセに面倒くさいかぐやも御行も、お互いのプライドが邪魔して、まったく進展せず。ラブコメなのに数話にわたって主人公とヒロイン(どっちがどっちとかは知らん(笑))が会わない物語というのも珍しいです。
 溜めに溜めたぶんなのでしょうか、花火大会編では珍しくシリアスな話が最初に挿入されました。色々と気になっていた、かぐやの家庭環境の話ですね。名家とかお嬢様とか箱入りって設定だと、ベタといえばベタな話ではあるでしょうが、かぐやと父親の断絶が明るみになりました。
 狭い世界に詰め込まれ、抑圧された(早坂さんが見守っていたけれど)生き方しか許されなかったかぐやの孤独。早坂さんのフォローも虚しく、ずっと楽しみにしてた、久しぶりに生徒会のみんなと会える花火大会に間に合わない……と思いきや、御行が渾身の主人公力でかぐやを救ってあげる。残念だったり悲しかったり切なかった話で溜めに溜めたおかげで、御行のイケメンっぷりもかぐやのヒロインっぷりも車越しに見える花火の美しさと合わさって最高潮に。なんか、かぐやの泣き顔ってここ数話でよく見るようになった気がします(気がするだけで確証はない)。そりゃもっと惚れてまうわな。

 季節感

 後半からは普通に夏休みが終わり二学期。どうでもいいことかもしれないけれど、季節感の目まぐるしさというか、季節の流れが早いなぁとちょっと思います。もう秋かい!と驚いたんですよね。なんでだろうと思ったら、よくあるラブコメの夏休みって、何個もあるあるネタを消化して(旅行だとか合宿だとかプール海だとか花火大会だとか肝試しだとか)それなりに話を稼いでいる気がするんですよね。そういう普段の舞台である学校から離れた非日常イベントって、話やキャラを動かすにもってこいなわけですし。でも、『かぐや様は告らせたい』はかなりサッパリしている。花火大会のワンイベント、それで終わり!って感じです。すごくロマンチックな話だったので、充分満足感はあったのですが、ちょっと寂しいとも同時に思います。しかしまぁ、主役二人の環境や性格上あまりにそういうイベントに縁があっても違和感があるわけで(こう書くと気付くけど、二人って人間性能は高いのですが、ぶっちゃけ世間一般におけるリア充ってわけじゃ全然ないよな(笑))、こういう感覚は『かぐや様は告らせたい』だからこそ、なんでしょうね。

終わりに

 既刊の中では半分ちょっと前まで到達。既述したように時系列的に話がかなり進んでいるので、残りの巻はどこまで行くのでしょうね。少なくとも、三年までは進むのは間違いない……というか、御行とかぐやの高校卒業で『かぐや様は告らせたい』は完結っぽい感じがしますね。大学編とかやらなければ、の話ですが。まぁ、あくまで自分の予想なので、もっとアクロバティックな完結でも全然いいと思います(ただ現代ラブコメでそんなアクロバティックな展開は自分のレベルではまったく想像できないですが)。では、五巻の感想はここまで!お暇があるようでしたら、次巻の感想でお会いしましょう。

 以上、感想でした。