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読書の電子化感想

読書の電子化感想です。

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前書き

 唐突ですが、先日本棚の紙の本をすべて処分しました。その結果、自分の読書状態が完全に電子書籍に移行したので、その雑感を書こうと思います。電子書籍サイコー!みんな今すぐ電子書籍に変えよう!とか、紙の本はダメ!今すぐ本を捨てよう!というクソウザったい押し付けをするつもりは毛頭なく、あくまで「ある雑魚ラノベ好きの読書形態が、電子書籍に頼るようになった感想」というだけの記事です。それ以上でもそれ以下でもないので注意。

使ってるサービスと端末

 電子書籍自体は5年以上前から使っていました。当時は自分にとって紙のほうが主流でしたが。

 5年前

 サービス:Sony Reader Store 
 端末:Sony電子書籍専用端末(父親からのお下がりですでに処分したため、正式な名称は分かりません)

 Reader Storeは当時利用していて特に不備は感じなかったです。割引ポイントも定期的に発行してくれて、まとめ買いのときなどに好んで利用していました。使っていた端末はお下がりだったのですごくボロボロで、バッテリーが死んでいて充電がほとんどされずバックライトも暗い、これのせいで電子書籍の利点が当時ほとんど気付けませんでした(あくまで使い古されすぎてるってだけで、新品なら話は違ったと思います)。

 個人的には、電子書籍を利用しようと思うなら、提供されるサービス側よりも、使う端末(スマホなりタブレットなり読書専用端末なり)にしっかりこだわったほうがいいと思います。そこを下手に最廉価品や中古品などで妥協すると、電子書籍の利点が潰れてしまう可能性があります。

 現在

 サービス: Amazon Kindle Store
 端末:Kindle Paperwhite

 現在は完全にAmazonKindleに移行しました。Amazonに変えた理由は特別なものはないのですが、Amazon通販を利用することが多くなって有料会員のPrimeに加入したこと、なにかと話題のKindle専用端末に触れてみたくなったからですね。
 Kindleのサービス側に特別不自由はないです。たぶん、出版のタイミングは書籍である以上どこのサービスが早いとかどこのサービスが遅いとかそういうことはないんじゃないかと思うので(ガチで調べたわけではないので注意)、他と比べて特別サービス側に違いはないんじゃないかと。少なくともメジャーな出版社の本が、AmazonKindle電子本として手に入らなかった、という思いをしたことはないです。
 端末ですが、Kindle Paperwhiteはなかなか使いやすくていいんじゃないかと思います。6インチなんで小型のタブレットぐらいで、軽いですね。小説を読む際は文字が見やすく、ページの進捗も下部で明示されるので、ある程度の読書ペース配分が決められます。あと、他ユーザーのハイライト共有という機能が地味に好きです(笑)他のユーザーが引用した文章が分かるのですが、これ、ネタバレの危険性があるから嫌いな人はホント大嫌いだろうけれど、意外な一文がピックアップされていたりして、読んでいて、ちょっとクスっとしたりします。漫画もそこまで購入しているわけではないですが、特に不自由なく読めます(やや狭いと思うときもありますが)。あと、フロントライトは重要。このディスプレイを灯す光があるかないかで、だいぶ読みやすさが変わる印象。なので、そこにこだわってより上位モデルを選んでもいいかもしれません。

電子書籍のメリット

・現物がない

 最たる利点の一つがこれだと思います。やっぱり、本棚に本を置かなくていい、あるいはそもそも本棚すら持たなくていい、というメリットは大きいです。自分はモノグサで、現物の本を買ってしまうと、すぐに本棚が一杯になってしまって、汚くなってしまうのですね。それから解放された今は、だいぶ気楽な心地なのです。ただしこれはデメリットと表裏一体なので、それについては後述。

・手軽に買える

 サービスに登録していれば、PCだろうがスマホだろうがタブレットだろうが専用端末だろうが、余計な手間なしにワンクリックで購入可能です。これも慣れてしまうと、めちゃくちゃ手軽。シリーズ一括購入も可能で、本屋に行ったけれど買い忘れたとか、シリーズ途中の巻が歯抜けているとか、そういうことも絶対なし。24時間コンビニエンスに購入可能で、ダウンロードさえしてしまえば、Web回線がなくともローカルで閲覧可能。これは明確なアドバンテージだと思います。ただし、お金の管理はしっかりとね!

・一括持ち運び

 当然ですが購入した本の実態は単なる電子データなので、端末の容量が許す限りは何冊でも持ち運び可能。今の自分の端末には100冊以上入ってますが、容量的にはまだまだ余裕だと思います。それを小さな媒体で自由自在に閲覧できるのだから、スマートな世界ですね。これもまた、現物の本では実現不能な、電子媒体特有の明確なアドバンテージだと思われます。

電子書籍のデメリット

・現物がない

 メリットと同じですが、これはイヤな人は絶対イヤだろうなというデメリットにもなり得ます。紙として存在していて、色んな角度から見る表紙のデザインだとか、ページをめくるときの紙の質感だとか、シリーズが本棚に並んだときのホッとする満足感だとか、電子化するとそういう「実在するモノとしての価値」を手放すことになります。自分もそういう価値が多少なりとも分かるので(いうて20年以上紙の本と一緒に成長してきたのですから)、現物が存在しないことがデメリットになるだろうということも、十分に共感できます。
 こればっかりは、個々人の価値観によるしかないかと。どちらがどちらより優れていると、明確に判断することは自分にはできません。

・ITの知識

 当然ですが電子書籍はWebのサービスです。ネット環境が必須で、サービス側の会員登録が必要ですし、電子書籍は電子データなので、読む上ではスマホにしろタブレットにしろ専用機にしろ、読める端末を事前に用意しなければいけません。スマホが一般化した昨今、若い世代でそれにつまづくとは思いませんが、逆にITの知識に疎い年配の世代には(スマホではなくガラケーを選ぶ方など)少しハードルが高いかも。少なくとも、ウチの母親には絶対に無理です(笑)もちろん電子書籍の利用は全然難しいことではないので、調べる意欲と興味さえあれば簡単に導入できますが、個人のポリシーまたはIT知識などで、若干の壁はあるやもしれません。

・所詮は電子データ

 「現物がない」と被るのですが、所詮、電子書籍は電子データです。例えば万が一Amazonが何らかの理由でなくなってしまってKindleのサービスが終了した場合、新規購入は不可能になるでしょうし、専用端末自体にロックが掛かってしまうかもしれません。Webサービスである以上は、どれだけ小さな可能性であろうと脆弱性からは逃れられませんので、個人情報が抜かれるということもありえるでしょう。あるいは、いくら膨大な数の本を持ち運べると言っても、なんらかのアクシデントで端末が利用できなくなった時点で、そのときに電子書籍を閲覧するのは不可能になります。
 電子には電子の弱点も相応にあるわけで(それはWebの世界である以上は不可避だと思っています)、現物があればその弱点を克服できるケースもありえるでしょう。今の技術で電子データを「絶対の媒体」として扱うことは、または紙を「旧世代の媒体」と一蹴することは、多少なりとも危険をはらんでいるとは自分は思います。

終わりに

 最初にも書きましたが、どちらがどちらより良いからこうしろ!と思うことはないです。電子化したとドヤ顔で謳っておきながら、内心では紙が恋しい……と思うときもけっこうあったりします。ただ、電子書籍という文化は、スマホの進化などに伴い一昔前では考えられないほど急速に普及し、洗練されつつある文化で、紙の媒体としのぎを削るに十分値している媒体です。そもそもまったく興味が無いならスルーすべきですが、普段からスマホタブレットを利用し、AmazonなどのWebサービスを利用することも抵抗がない方なら、興味があれば一考に挙げてもいいものと自分は思います。


 以上、感想でした。